VR教育分野への応用-アメリカ教育現場今の反応編

VR教育分野への応用-次編

前回、VR教育分野への応用というテーマで記事を投稿し、VR/AR技術を教育分野へ展開していくことについては、学習者の誰を対象とし、学習体験をしっかりデザインしていくかが重要であるとお伝えしました。

特に、教育現場の先生に実際に学校で活用されるようには、世界で最も忙しい職業といわれる先生の時間を節約することができるのか、今まで実現出来なかった学習体験の質を上げていけるのかが大事なポイントとなります。

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VR/AR アメリカの一部の学校へ活用され始める

まだVR/ARを活用する学校はアメリカではかなりの少数派ですが、すでに先進的な学区ではバーチャルトリップやSTEM教科関連のコンテンツをカリキュラムに反映し活用され始めていていることを最近知りました。

そこで今回の記事では、今のアメリカ教育現場で導入されている”VR教育応用事例”をアップデートしたく、主に下記2つの投稿に分けて紹介していきます。

  1. アメリカの先生たちのVRに対する今の反応。(※今回紹介)
  2. 先生たちの支持を上手に獲得する注目VR/AR教育企業。(※次回紹介)

アメリカの先生たちのVRに対する今の反応:

アメリカの先生の60%が”VRを教室に導入したい”と回答 / そのうち2%の先生が実際に導入済み

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VRハードウェア”Gear”を開発するSamsung社が行った独自調査によると、教育現場から特に先生からのニーズが着実にでてきていると言われています。(参考記事

  • アメリカの小学〜高校の先生1,000人のうち60%がVRを教室で導入したいと回答
  • 現状ではそのうちの2%の先生が実際に導入済みという結果。
  • 生徒自身にVRコンテンツを作らせたいという関心も高まってきてる

この調査の対象となった先生1,000人がどの程度のテクノロジーの習熟度があるかということは不明ですが、半分以上の先生がVR導入について前向きに検討したいという回答です。

2%の先生がすでに導入済みということですがこのVRが、どこまで本格的に作り込まれたコンテンツを教材として導入しているのか、というところも厳密に定義はされていません。(例:マルチデバイス対応の3Dコンテンツなども含まれる場合もある。)

また、生徒にVRコンテンツ制作をさせたいという関心については、最近、Unityなどプログラミング言語を使ってVRゲームコンテンツ制作を子供向けに教える課外授業コースも出てきているなど、エンターテイメントのコンテンツで世の中で3Dが続々と出てきている中、生徒が日常的に触れ合う機会が増えてくるので、VRコンテンツに学校でも触れ合えるようにしたいという関心も出てきているのでしょう。

VR導入している先生の事例:

ここで、すでにVRコンテンツを学校の授業に導入している先生の例をご紹介したいと思います。

今年6月、デンバーで開催された、全米最大教育者コンファレンスである、ISTEで出会ったテキサス州の中学校で教壇に立つJaime先生です。(※さきほどの調査で2%の先生が導入済みという結果だったので出会うことができ貴重な存在です。)(※ISTE参加レポートはこちら

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ポスターセッションで来場者にプレゼンするJaime先生

Jaime先生は、コンファレンス当日のポスターセッションで、”VRの教室での導入例”というテーマでご自身のベストプラクティスを紹介されていました。彼女の授業では、VR教材コンテンツを自然機構や歴史建造物などのバーチャルトリップ(バーチャルな社会科見学)のものを使用しているとのことです。

このバーチャルトリップのコンテンツを通して、テキサスの教室にいながら中国の万里の長城などの歴史的跡地に行けたり、雪を見たことがない生徒にとって雪山や氷山という自然気候を体験することができます。

Jaime先生によると、生徒たちは教科書を読むよりも3Dコンテンツの没入体験をしたほうがより好奇心を持ってやる気のある姿勢を見せる、とお話していました。実際の目で見ることに価値があるような社会科見学を教室で手軽にできるということは大きなメリットのようです。

 

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今の時点では、バーチャルトリップがVRを使った上で学習効果がわかりやすい

Jaime先生は今はまだバーチャルトリップのコンテンツをメインに授業に取り入れていますが、今後もっと別の科目でも応用できないか模索していきたいとコメントしていました。

今の時点では、このバーチャルトリップが教育現場で現実的に導入する上で、一番効果が見えるし生徒の反応がわかりやすい。これからもっと多様なコンテンツが出てきてくれることを楽しみにしている。

現時点で学校の先生にとってもVRを使った授業の例で効果がわかりやすく、生徒の反応や学習効果が見えやすいという点で、「バーチャルトリップ」のコンテンツはVR初心者〜中級の先生の入門教科といえそうです。

VR/AR教材導入の課題

しかしながら、Jaime先生のように最新テクノロジーを教室で導入するのは、至難の技といえるでしょう。アメリカの先生の中でも意識の高い先生が頑張らないといけないという状況で、まだ難易度が高いです。ISTEに参加した先生達も、うちの学校にもVR教材を導入したいけれども、ハードルが高くて今はまだ無理かな、と言っている方が多くいらっしゃいました。

そこで、今のアメリカの教育現場でVR/AR教材を学校へ導入するにあたっての課題を以下にヒアリングのもとまとめてみました。学区や学校が導入承認をするにあたって、下記の課題をクリアしているかどうかがポイントとなりそうです。

– 課題1:予算獲得のハードル

Jaime先生は、予算にシビアな学区を説得しなんとか承認をこぎつけて契約購入ができた、と苦労話を語っていらっしゃいました。

日本と異なり、アメリカでは公立学校は各学区ごとに教材購入の意思決定をするシステムを取ります。学区の予算の承認については、まだ必修科目が優先されている現状とのこと。VRを活用した授業は、まだNice to have (あったら良いな、という程度で必須ではない。)という程度のものなので、どうしても優先順位としては下にきてしまいます。

Jaime先生が使うVRコンテンツは、Nearpod社が提供するもので、単体コンテンツが3ドル以下など、比較的安価で購入ができ、月額プランもあるとのこと。学校や学区特別割引なども用意しているそうです。Screen Shot 2016-09-04 at 7.31.12 AM

ゴールドマンサックスによるVR/ARについての産業サマリーデータによると、VRコンテンツの教育にあてられる費用は、2025年までに年間1人生徒あたり50ドルが支払われると予測が出ています。(現在では学校が負担する教材費用年間1人生徒あたり平均ドル244ドル

– 課題2:現カリキュラムに置き換えられるかどうか

先生達は日々の授業進行とカリキュラムに沿って生徒の査定をしていかなければいけません。VRを授業に取り入れるためだけに、現カリキュラムと関係のない内容を取り扱わなければならない、またはその授業を実施するためだけに様々な準備と研究に時間を費やさなければならないとなったら本末転倒です。

今の段階では、現カリキュラムの中で、この内容を3Dで行ったら効果があるのではないか、という所を部分的に取り入れることが肝となってきそうです。

VR/AR教育企業にもこういったカリキュラムやレッスンプランの活用例を用意されているかどうか、が先生が期待するポイントとなりそうです。

– 課題3:先生が使いこなせること

VR/ARのツールを導入し、実際にそれを使用し授業のファシリテート運営をしていく先生が使えないとなると本末転倒です。先生が導入しやすいわかりやすい操作が可能かどうか、先生のトレーニング内容が充実しているかどうか、がポイントとなりそうです。

学校と密着するVR/AR教育企業の存在

以上、VR/AR教材の学校への導入にあたっての課題を見てきました。

VR/AR教材を学校に導入してもらえるよう営業をかける側の立場に置かれる企業にとっては、学区に予算承認が下りやすい価格プランや現カリキュラムに沿った教材パッケージ、先生用トレーニングのサポートなど、先生から支持を得るために様々な工夫をする必要が出てくるでしょう。

そこで、次回の投稿ではこの分野で着実に評判を上げている注目企業を紹介したいと思います。

 

 

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VR教育分野への応用-アメリカ教育現場今の反応編」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: VR教育分野への応用-注目VR/AR教育企業編 – 21st century 教育のかたち

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