注目

大統領選挙後のいま、私たちが子どもたちに話すべきこと。

大統領選挙発表後、全米教師たちに向けられたメッセージ

昨日 11月8日、アメリカ大統領選挙で共和党トランプ氏が勝利しました。この夜は多くの大人たちが絶望、悲観など様々な感情を過去にない程表現しました。トランプ氏が唱える”Make America Great Again” 、憎しみがベースとなった経済の保護主義、移民、外交政策を進めアメリカはどうなるのだろう。多くの大人たちが絶望する中、未来の社会に生き抜く子どもたちにこの状況をどう説明したら良いのか。教育関係者にとどまらず親である大人たちは頭を抱えた瞬間でした。

そんな中、選挙発表の夜、人種平等教育専門家Ali Michael氏が「いま、私たちが子どもたちに伝えるべきこと」として全米の教育関係者、大人たちに向けた記事をHuffingtonpostに掲載しました。(記事原文)

トランプ政権になった後でも、大人として子どもたちに伝えるべきこと。教育者でもありマイノリティ(社会的弱者)の立場のAli氏のメッセージによって昨夜、どれだけ多くのアメリカの大人たちが子どもと向き合う自信をもらったことでしょう。

私自身も彼女の訴えに心を動かされました。富裕層が多く住むカリフォルニア州サンフランシスコに住み1年。同じ国家でありながら地域によってここまで価値観に差が開くものなのか、必ずしも自分が属する地域が国のコンセンサスではないこと目の前で経験しました。イギリスのBrexit(EU脱退)以上に、ショックを受けました。そして、これはアメリカとイギリスに留まらず、世界的に起こり得る現象なのではないか。貧富の格差は日本でも広がっており(2015年OECDの調査で日本の貧困率15%)アメリカの現実は日本の将来にも起こり得るのではないか、と考えました。

いま混沌期のアメリカで訴えられている、将来を背負う子どもたちに伝えるべきこと。それを日本の教育関係者、保護者である大人たちへ向け発信すること。それが私がわずかながら貢献できることなのではと思い、今回著者のAli氏に承諾を得て、彼女のメッセージ全文日本語訳しました。

(以下、訳です。)

Child Holding up Hand

大統領選挙後のいま、私たちが子どもたちに話すべきこと。

-まずあなたたちを守ると伝えましょう。-

By Ali Michael 博士(教育コンサルタント、作家、映像作家)

「もし、トランプが勝ったとしたら選挙のあと私は生徒たちになんて言ったらよいだろう?」ある校長先生が最近私にきいてきた。良い質問ですね。私たち教師、大人は子供たちに何を伝えたらいいのだろう?

まず第一に、私たちはあなたたち生徒を絶対に守るということを伝えてください。

アメリカには、民主的な過程があって、たった一人の意地悪な人が大きな危害を与えられないようになってるということ。私たちはこの民主的な過程を絶対に守り通して、トランプが選挙活動中にしてきた多くの嘘の約束を実行できないようにするということ。

第二に、選挙の結果は受け入れないといけないけど頑固な偏見には、立ち向かわなければならないことを話してください。

偏見は民主主義の価値でなく、あなたの学校では許されないことを伝えてください。あなた自身がイスラム系の家族たちの味方になること。同性愛者の保護者やゲイの生徒たちを守ること。黒人の家族たち、女子生徒たち、メキシコ系の家族たち、障害を持つ生徒たち、移民の家族、トランスジェンダーの生徒たち、ネイティブアメリカンの生徒たちを援助するということを伝えてください。そして、それらの生徒たちを傷つけたり、国外追放しようとしたり、脅迫する人たちには絶対に彼らに近寄らせないということを話してください。あなたは学校のコミュニティとして団結して立ち上がることと、互いを守りあうことの大切さを生徒たちに教えてください。

そして、沈黙でいることは危険だということ何か間違っていると感じたときは声を上げることを教えてあげてください。どうやって声に出し、一人一人を愛し、互いに理解しあい、共に争いを解決し、時に対立しあうけど多様性に富んだイデオロギーのなかでどのように生活していくのかを教えてあげてください。また、これらのことができていない世の中で生きていくための術を教えてあげてください。

第三に、文明社会の一員として責任をもつことを教えてあげてください。

誰かを言い負かすためではなく、相手を理解し理解されるために、正しい話し合いかたの基礎を教えてあげてください。生徒たちには事実を確認する方法、情報源を比較すること、当たり前と思われている仮説をも問いかけること、彼ら自身が自然に持ってしまっている偏見を知り、他者からのフィードバックを歓迎すること、お互いを問い詰めることを教えてください。また、私たちは生徒たちに愛と尊厳を保ちながら反対することを教える必要があります。これらのスキルはこれから先の数ヶ月、数年のなかですべての人の人権を守る民主的な社会を作り上げる上でとても貴重な財産になること。政府機関の協力や抵抗があろうがなかろうがに関わらず。

最後に、トランプに投票した人たち全員が彼の偏ったものの見方に賛同しているというわけではないことを生徒たちの気持ちを落ち着かせ理解させてあげてください。

彼に投票したほとんどの人たちは経済に不満を感じていて社会的に孤立感を覚え追い込まれたた結果、ひとつの権利を行使したにすぎないということ。私たちはトランプと支持者たちを試していくべきです。彼らの恐怖とその恐怖によって引き起こされた偏見の間を区別しなくてはいけないことを問い詰めるべきです。

実は、この悲劇的な選挙の直後、私はこのような形で声をあげたことをためらっています。この一年、このようなブログを投稿したがために、私は嫌がらせのメールや白人至上主義者からの殺人の脅しなどを受けていました。「このようなブログ」というのも、正直に言いますと、ほんのわずかな力しかない人間の個人的な意見のことです。私は危険な存在ではありません。しかしながら、私が人類がみな自由にアイデンティティを十分にだすことができる世界をつくりあげるべきだという考えを表現したことに対して、私と私の家族を脅迫してきた人たちもいます。私はこの種の脅迫行為はトランプが勝利したあとにもっと増えてくるのではと恐れています。これが、送信ボタンを押す明日には、勝利に勇気付けられたトランプ支持者等が意見の合わない人たちへの非難や攻撃を広め、もっと悪い状況になるのではと恐れています。

しかし、たとえそうだとしても、トランプ勝利を目前にしている今この瞬間、私が唯一安全に感じるのは、声を上げ、意見を述べること。そして他の方にも同じようにすることを呼びかけることです。

以上

General Assembly参加

本日、General Assemblyの全日のBootcampに参加してきました。通常は、ProgrammingやProduct Management系のセミナーが多いものの、たまにBusinessやMarketing寄りのセミナーも開催しています。

せっかくの機会なのでSan Franciscoダウンタウンにある教室で開催された、”Business Development”のBootcampに参加してみました。

General Assemblyは、主に起業家やスタートアップ勤務の社会人向けのスキルアップのための講座をオンライン、実際の教室のコース両方で提供しています。

元々は2011年にNew Yorkで最初の校舎が開設され、ITスタートアップ企業を経営する起業家など、元々プログラミングの知識がなかった文系の大人向けに実用的なTech系コースを提供したり、様々なニーズに合わせ、プログラミングだけでなく、Business DevelopmentやWeb Marketingなどビジネス全般に必要な分野のコースまで拡大し、New Yorkだけでなく西海岸、全米各都市、のちにHongkongやSingaporeといったアジアまで拡大しています。社会人向けスキルアップに特化したグローバルEdtech企業でもあります。

常に新しい業界のコースを提供し、オンラインだけでなくPhysicalに教室に行き参加する、というハイブリッドな形式を取っているので学ぶ当事者にとってはモチベーションが高い状態にキープされるような工夫もされています。長期コースの他に、私が今日参加したような単発の1日詰め込みのBootcamp型のセッションもあり、忙しくてスケジュールが読めない社会人にとってはオプションが揃っているのでありがたいです。

また、日本で実際の教室で行うBootcampがないかアンテナ張って探していたのですが、ほとんどの場合、形式的な体系だったビジネスマナー研修、だったり実用的ではなかったり、またはすごい高額だったりするので、中々ベストな環境がなかったりしました。正直、堅い講座ばかりで急速に変化するビジネスの中で対応できるような実用的なスキルアップの講座がありませんでした。schooなどオンライン講座にはこういったタイムリーなスキルアップ講座があったのでたまに見ていたくらいでした。

ここ、シリコンバレー、スタートアップ企業の聖地であるSan Franciscoではやはり自身のスキルアップに興味がある大人が多く、常に人気のある講座はすぐに埋まってしまうようです。またGeneral Assemblyだけでなくタイムリーな新しいビジネススキルを習得するための講座がたくさんあります。

今日私がBusiness DevelopmentのBootcamp に参加した理由は、IT(Tech)業界で働く上で、どのような役割が求められているのか、またアメリカ(ここシリコンバレー)の潜在パートナー企業(団体)と話しをする上で、どういったマナーが好まれるのか? を知りたかったためです。日本人同士でいる際はお客様に失礼がないようにどう対応したら良いか、は何となくわかるのですが、アメリカ人の外部の人と話しをする上で本当に深く入り込む上で、実は知らなかったアメリカ的ルールがあるのではないか、ということや、効果的なアプローチがないかを模索するためです。

日本では、Business Developmentという職種は比較的新しい職種に入り、IT業界にしかないような役割ですし、営業なのか?経営、Marketingなのか?と定義があまり一般化されていないですし、専門的に職種のノウハウを教えるような講座も中々見つけるのが難しかったので、今回参加してみました。

今回一緒に参加した方たちは、もちろん、ここシリコンバレーIT聖地で働くTech 企業やフリーランサーが多かったです。どうやったら効果的にパートナーシップを結び双方のバリューを伝えお互いにとってベネフィットが持たなされるようにリードできるか?と関心を持っていた人がほとんどでした。

朝のパートでは、なぜ自分がこの講座を受けたか、を参加者同士でシェアすることから始まり、所属組織の1年後の将来的なゴールは何か、をグループ毎にシェアしました。企業によっては、KPI(社内目標)が明確だったり、常に短期的ゴールを見がちなので1年後がどうなってるか分からない、など組織の特性によって違う見方が知れてたのしかったです。

午後のパートは、自社サービスのValue proposition (自社の付加価値、顧客価値)を話し合い、その上で達成するため、Business Development Strategy(適切なパートナーを認識する、特定化する)、Account Strategy map(外部企業の戦略map)を作るところまでやりました。そして、エレベーターピッチ(30秒〜1分で自社の魅力を、ロジックと感情的に共感を呼ぶような内容でプレゼンする)の練習をしました。

さすがシリコンバレー、参加者みんなは本当にピッチが上手いですね。

最後には、自社の商品のピッチを1人5分するプレゼンテーションをし参加者でフィードバックを交換するコーナーで最後は締めくくりました。

シリコンバレーにいて、”ピッチ”の重要性を感じます。もちろん、そこだけでは語られない部分もあるとは思いますが、今何が起こっていてどんな問題が存在し、自分(達)はこれをどう解決しようとしているのか、そのために何をしていてコミュニティの役に立つような働きかけをしようとしているのか。それを端的にリズム感を持ち短くわかりやすく発信する、ということに尽きます。

ここでビジネスをしている人なら、誰しも誰かの”ピッチ”を聞くことに前向きですし、常にオープンです。こういったマインドが起業家輩出に繋がることと思います。

今回参加して、アメリカ人の外部のお客さんとビジネスをする上で特別なことはあるのか?という私の疑問については、アメリカ人だからといって特別に失礼にあたると気にすることはないということが分かってよかったです。日本でビジネスをする上で、お客様、先方に対して双方にValueがあるような提案を考え、伝えていき相手を巻き込むこと、といった観点では、日本とアメリカの違いは特にないということが再確認できてよかったです。

逆に、アメリカ人の懸念は、日本人は本音を言っているのか、ということだそうです。日本人は意思表示がはっきりしない。Yesといったことが実は違っていたり、ということがあり、逆に彼らが悩んでいることでもあるとのことです。白黒はっきりする文化であるアメリカなので、逆にこちらが不明点を聞く分にはWelcomeですし、できるだけ会う機会を作ったり、もっと双方を知る機会を作る姿勢については喜んで引き受ける、というカルチャーなのです。

今回の参加を通し、私自身人前でノンネイティブだから、とピッチが思うようにできず遠慮していたところがあり反省してますが、アメリカ人でも本当にロジックとパッションが絡み合い説得力のあるピッチ、プレゼンテーションをすることはとても難しいことなのだ、アメリカ人の中でも苦労して完成度のあるピッチを練習しているんだと分かり良い経験になりました。

参加者の方達も、困っているなら、ここを紹介するよ、と意見を頂いたり実際に提案をもらうこともできて良い出会いになりました。ここのエリアで仕事をしている人に共通していることは、寛容でEntrepreneurship(起業家精神)を尊重し応援したい、というマインドを持ってることです。ビジョンや頑張っていること、については支え合うカルチャーに改めて感謝です。

Silicon Valley

cropped-golden-gate-12.jpg

シリコンバレー、サンフランシスコに移住し1ヶ月が経ちましたが、これまで日本やアジアを中心拠点として活動してきた筆者の視点から、一番新鮮だと気付いた点は、この国の「選択肢の多さ」にあります。

様々な人種、宗教などバックグラウンドを持った人々が暮らす多様性に富むアメリカ社会。ここシリコンバレーは特に外国人が多い土地と言われていますが、この社会では何がmain stream(主流)なのかということ、日本と違って何が模範的なのか、というものがほとんどありません。もちろん、人間本来が持つべき倫理を重視している社会であることは間違いありませんが。

たくさんの選択肢があり、その中で自分が良いと思うものを選択していく。それぞれ個が考える、”これがベストなんじゃないの”という価値観に従って進んでいくことにとっても寛容な社会。

「教育」の分野はそれが特に顕著にあらわれている分野なのではないかと思います。

ここカリフォルニア州だけでも様々な学校が存在しています。下記小学校の例ですが様々な選択肢があることお分かりいただけると思います。

  • Public School 公立学校(学区により様々な特徴あり。例:裕福な学区はPrivate schoolよりも豪華な施設付きの学校も。)
  • Private School 私立学校(下記サイトにSchool By Typeという項目があり宗教や教育方針により様々です。)http://www.privateschoolreview.com/california
  • Charter School チャータースクール(アメリカ独自のスタイル。保護者、地域住民や教育者がその地域で新しいタイプの学校を公的資金援助のもと設立。)
  • Home schooling 自宅学習(家庭内学習。全米で全州合法となっています。)

何がmain streamなのか、正解はないけれども各家庭でこれが子どもにFitするんじゃないか、という判断に基づいて学校選びしているという印象があります。

また、ここSilicon Valleyは「教育」の分野においても新たなアプローチで更に進化した学習効果を生み出すため、起業家、NPO、教育関係者が一体となり新しい試みを行い実際に試行錯誤を繰り返してきています。テクノロジーを駆使し徹底した少人数教育を実践するなど、といった独自の教育方針を展開する革新的な学校も多く存在してきています。

筆者は特派員業務を通して現地の学校に数校訪問してきました。今後実際に訪問してきて得た気づきについても追って掲載していく予定です。

※このブログについての説明、開設に至る背景は下記にUpしております。

https://21st-edu.com/about/