Startup Weekend Education Oakland (11/6~8)

Startup Weekend Education Oaklandのピッチの見学をしてきました。

Startup Weekend Oaklandとは、週末の54時間で初めて会ったメンバーとチームを構成しアイディアベースからブレストを始め、シリコンバレーEdtech界で名だたるコーチ、メンターの指導の元、プロトタイプを作りビジネスプランも練って、日曜日の夜に最終的に審判の元各チームプレゼンをして勝者を決めるコンテスト。チームは教育に変化を起こしたい熱いメンバー、教育関係者、デザイナー、ディベロッパー、保護者、生徒、ビジネスAdmin系(NPO/企業)など多岐に渡るメンバーから配置されます。実際に入賞したチームは商品発売に向け、主に下記の特典が得られます。

  • 地元Oaklandの教育財団からの全面サポート
  • Edtech界一流Startup accelerator ImagineK12との面談
  • アメリカの教育イノベーター向け4.0 Schoolsプログラム参加のスカラーシップ
  • アプリデザイン無償支援
  • 1ヶ月Co-working space提供
  • etc.

過去のStartup Weekend Educationの勝者の卒業生は、下記のようなサービスを既にビジネスを始め提供しておりEdteh界で注目を集めてます。

  • Talking Points前回Startup Weekend Edu Oaklandの勝者。Google Impact Challenge Bay AreaでもFainalistとして250K$獲得。
  • Epic: SF Startup Weekend EDUの勝者、実際にOaklandでGamificationを取り入れたユニークな革新的な学校を600K$の賞金を獲得し設立。(実は筆者も先週この学校を訪問しました。)
  • Fantasy Geopolitics: World newsのSocial game アプリ。
  • Mathchat : 算数学習アプリ
  • Vidcode: 10代女子向けCoding

今回、筆者は日曜夜のピッチ(プレゼン)の傍聴のみ参加してきて各チームの54時間の集大成を聞きにいってきました。どのチームも秀逸で大人向け教育(Higher Education) と 幼稚園〜高校生向け(K-12)向けEducationに分かれ、全14チームのピッチの発表会が行われました。

たった54時間の限られた時間であるのに、どのチームも市場調査もきちんと行い、実証されたプローフに基づいて仮説を作り、問題解決のための提案である、革新的な教育サービスを発表していました。5分間のプレゼン時間に加え、Edtechリーダーである*審査員によるQ&Aセッションで鋭い質問に対して的確に回答していってました。

(*審査員:BrightBytes, Learn Capital, Rocketship education 各リーダー)

全体としては、やはりBusiness modelの説明部分でいかにマネタイズするかについて審査員も厳しく突っ込んでおりほとんどのチームも限られた時間の中でrevenueプランを練るのに悩みに悩んでいるといった姿が印象的でした。

下記個人的に面白いなと思ったサービスのピッチです。

  • Parent Connect: 保護者に特技関心を登録しボランティアや寄付などコミットしてもらう学校とのマッチングサービス
  • Trending Edu: 教育者がCommon Coreに沿った教育コンテンツをキュレートし配信。生徒からLikeをもらう
  • Learn Mail: 大人向け英語Literacy向上のためのメールサービス
  • Edhost: 教育×Airbnb のコンセプトを導入した、ホストサービス
  • MindfulK12: 現在注目されるMindfullness教育に沿って、*Social Emotional Learning機会提供する教育サービス (*Social Emotional Learningとは、自己と他者の心情理解、思いやりを持ちコミュニケーションを円滑にするスキルで21世紀スキルの重要な要素として現在のアメリカの初等教育で高い関心が持たれています。)
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ピッチの様子

今回の優勝者は、Stanford Edu 修士生がリーダーを務める「MindfulK12」のチームでした。

的確にアメリカの初等教育で注目されているトピックであるSocial Emotional Learning(詳しくは、こちらご参照http://www.cfchildren.org/second-step/social-emotional-learning) とMindfulness を取り入れており、今までEdtech企業が参入してきていない分野ということも高い評価につながったようです。実際に商品化されるのを見るのも楽しみです。

やはり、Edtech業界でこれだけのバックアップ体制が出来上がっているエコシステムはシリコンバレーならではでしょう。新たなアイディアを実際に商品化まで強力にサポートし、イノベーションが生まれていきます。教育業界は保守的と言えますがシリコンバレーにきて、意欲的な学校の先生たちにお会いする機会が多くありました。今回のようなビジネスピッチコンテストも学校の先生の貢献は大きいと言えます。

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テクノロジー活用で学力格差埋めるチャレンジ – 1

先日、Next generation learning challenges という財団が企画する学校訪問ツアーに行きました。

主にSan Francisco近郊の街、Oakland市内のチャータースクール3校を訪問しました。

チャータースクールについては前項で( *アメリカ独自のスタイル。保護者、地域住民や教育者がその地域で新しいタイプの学校を公的資金援助のもと設立。)と記載しましたが詳細知りたい方はWikipediaに分かりやすく載っていたので是非参考にしてみてください。チャータースクール Wikipedia

Oakland市はサンフランシスコベイエリアの中でもEast Bayに位置する中心都市の一つです。1970年代から犯罪率が上昇し、それ以降改善されたとはいえ、治安の面では決して良くはありません。人口の19.4%、家族の16.2%は貧困層以下と言われており、地域によっては低所得者層が住むエリアも存在し親も英語を母国語としない家庭もあります。つまり学校教育がまともに受けられず大学就業もあきらめてしまい定職に就けない若者がいる現実があります。

そんな問題に対して、学校教育の側面から解決するためにチャレンジを続ける革新的なチャータースクールを見てきました。

今回はそのうちの1つの学校を紹介したいと思います。

1. Summit Public School K-2 (Grade 7-9向け学校。日本でいう中学校)

元中国人孤児院の建物改装した校舎
元中国人孤児院の建物改装した校舎

Summit Public school はアメリカチャータースクール界のトップランナー。シリコンバレーで2003年に設立されて以来「あらゆる生徒も4年生大学へ入学させる」というミッションのもと革新的な独自教育メソッドを築いてきました。Summit Public Schoolは現在シリコンバレーで7校、ワシントンDCへも拡大し2校あり、更に2校が来年開設される予定です。Summit School HP

Summit Schoolの指導方針のコアとなる4要素はCognitive Skill (標準基礎学力)、Content Knowledge (科目の習得度)、Habits of Success (メンターの指導のもと自ら責任持ち行動)、Real-Life Experiences(実社会経験)を通し、自立した学習サイクル(Self-Directed Learning Cycle)を繰り返していくという内容になっています。

この指導方針に基づいて、各生徒のPersonalized Learning を実践しています。Personalized Learningとは個人によって学力差があるため、個人のスキル、目標に沿ってカリキュラムをカスタマイズし個人の学力にあった学習法を実践していくというものです。これらは各生徒が持つGoogle Chrome Book上でカリキュラム計画の進ちょくを管理していきます。

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1人1台Chrome bookを活用

Summit School のPersonalized Learning Planのシステムは、Facebookのエンジニアが昨年から開発に協力していたことでも有名です。またこのノウハウを更に広げるべく、一般のアメリカの公立学校に向け、無償提供してます。(Summit Basecamp

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Personalized Learning Systemのフロントページ

このPersonalized Learning Planに沿ってクラス内でレベル毎に数グループに分けます。授業の最初に全生徒にその日の学習内容をクラス全体に説明し、用意しておいたグループ毎に違うレッスンプランに取り組みます。理解に悩んでいそうなグループには先生がクラスの中で時間を取り、じっくりまた指導をします。

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プロジェクターで全体に内容をシェア

また、各生徒にはメンターがそれぞれ就きCheck-in(面談)を通して進ちょくの相談、悩み相談などを行っているようです。リアル学習も重視しているので普段はProject baseのスタイルでグループワークを行い、Real-Life Experienceのカリキュラムとして、実社会とのつながりを学ぶためインターンシップなども奨励してます。

このように、システムやテクノロジーを駆使した授業を実際に使いこなし、授業を円滑に運営するのはとっても大変なのではないか、と思われると思います。実際に、生徒の効果を最大化する”ファシリテートする”スキルが教師たちに求められています。Summitでは毎年8週間のProfessional Development(専門性養成)を行い各々の教師のスキルアップの研修を充実させています。

今回訪問して驚いたことは、このPersonalized Learning Planには、まだ中学生であるのに入りたい大学や人生の目標に向け、長期的目標が設けられています。大学入試のためには入試試験でスコア何点目指さないといけないのか、それらを年間、週間、Dailyターゲットに落とし込んでいるのです。当然ながら、Summit Schoolのミッションが、「全生徒4年生大学へ入学」と掲げているので正にそれを個人レベルに形にして実践されています。

実際に生徒にインタビューをしてみると8年生のラテン系の女の子は公立名門大学であるUC Berkeleyに入りたいという目標があるのでその目標に沿ってメンターと相談しながらコツコツとタスクをこなしていました。以前通っていた学校に比べ、Summitでは自分で学習進ちょくをマネージしていかないといけない。大変だけどそれでも勉強する意味も分かっているし遥かに今の方が充実してる、とのことでした。中学生にしては立派なコメントだなと感心しました。

Summit Schoolは創立12年になり、すでにこの教育メソッドの効果が検証されています。

卒業生の100%は4年生大学の入学資格を有し、96%は4年生大学への入学が認められ、55%が6年以内に大学コース修了しており、全米平均の2倍の実績となってます。Summit SchoolのHigh schoolはカリフォルニア州のトップ20%に入る実績も残しています。Summit Schoolの精巧な教育カリキュラムとテクノロジーの活用によって、低所得者層の子ども達も4年生大学へ入り社会で活躍していくということが既に証明されています。

Summit Schoolは、まさに革新的チャータースクールのトップランナー。教育機会に恵まれない生徒達にシリコンバレーならではのテクノロジーを駆使した革新的な教育メソッドを導入し、全米学力格差に対しチャレンジに挑む先駆け的存在です。

Silicon Valley

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シリコンバレー、サンフランシスコに移住し1ヶ月が経ちましたが、これまで日本やアジアを中心拠点として活動してきた筆者の視点から、一番新鮮だと気付いた点は、この国の「選択肢の多さ」にあります。

様々な人種、宗教などバックグラウンドを持った人々が暮らす多様性に富むアメリカ社会。ここシリコンバレーは特に外国人が多い土地と言われていますが、この社会では何がmain stream(主流)なのかということ、日本と違って何が模範的なのか、というものがほとんどありません。もちろん、人間本来が持つべき倫理を重視している社会であることは間違いありませんが。

たくさんの選択肢があり、その中で自分が良いと思うものを選択していく。それぞれ個が考える、”これがベストなんじゃないの”という価値観に従って進んでいくことにとっても寛容な社会。

「教育」の分野はそれが特に顕著にあらわれている分野なのではないかと思います。

ここカリフォルニア州だけでも様々な学校が存在しています。下記小学校の例ですが様々な選択肢があることお分かりいただけると思います。

  • Public School 公立学校(学区により様々な特徴あり。例:裕福な学区はPrivate schoolよりも豪華な施設付きの学校も。)
  • Private School 私立学校(下記サイトにSchool By Typeという項目があり宗教や教育方針により様々です。)http://www.privateschoolreview.com/california
  • Charter School チャータースクール(アメリカ独自のスタイル。保護者、地域住民や教育者がその地域で新しいタイプの学校を公的資金援助のもと設立。)
  • Home schooling 自宅学習(家庭内学習。全米で全州合法となっています。)

何がmain streamなのか、正解はないけれども各家庭でこれが子どもにFitするんじゃないか、という判断に基づいて学校選びしているという印象があります。

また、ここSilicon Valleyは「教育」の分野においても新たなアプローチで更に進化した学習効果を生み出すため、起業家、NPO、教育関係者が一体となり新しい試みを行い実際に試行錯誤を繰り返してきています。テクノロジーを駆使し徹底した少人数教育を実践するなど、といった独自の教育方針を展開する革新的な学校も多く存在してきています。

筆者は特派員業務を通して現地の学校に数校訪問してきました。今後実際に訪問してきて得た気づきについても追って掲載していく予定です。

※このブログについての説明、開設に至る背景は下記にUpしております。

https://21st-edu.com/about/